よく晴れた日だった。


あたしは川辺の道を歩いていた。


大きな川にかかる、赤い橋が見えている。


橋の上には何台もの車が行きかっていて、排気ガスで少し霞んで見えた。


川の流れは穏やかで流れる音が微かに聞こえてきている。


あたしは木製のベンチを見つけてそこに座った。


心地いい風が吹いて来てあたしの髪を揺らした。


平日午後の川辺には散歩をしている老人が数人いるだけで、とても静かなものだった。


もうする春が終り、夏が近づいてくる。


あたしは制服の長袖の袖をまくって目を閉じた。


すぐにでも眠れてしまいそうなくらいの心地よさだ。


「君、何してるの?」


あたしが心地よく眠りをしかけた頃、誰かの声が聞こえて来て目を開けた。