これはひとつのポップアップによって始まった物語だ

「ふみえー!」
「どうしたの?盾葉?」
「検索してはいけない言葉検索しよ!」
「んー…」
文絵は少しばかり悩むと、
「いいよ」と返す。
そして二人はコンピューターの前で黙々と検索を始めたのだ。
「次は赤い部屋ね」
「あー、あれね」
「ポップアップ出るやつでしょ?」
「出るわけ無いじゃん!」
「んー…そうかな?」
すると、そこにポップアップ広告が出てきたのだ。
しかし、赤い部屋のポップアップではない。
【キミもネットの世界に入らないか?】
「なにこれ」
「これじゃなさそうだね。」
そう言って消そうとすると、その広告は消えない。
何度も
何度も
繰り返し消そうとする
しかし
消えない
二人は覚悟を決め、その広告を押した。
すると、一瞬マウスがふわりと浮き上がり
二人はデスクトップへと吸い込まれていったのだった…