翌日から、ソラシドレスキューは大忙しになった。
 朝9時に部室に登校した時点で、七ツも救助要請が来ていた。
 その中から対応可能な物を選んで、救助に向かう。

 巨大仏像の清掃作業中に、風に煽られて宙吊りになっている。
 ボートが沖合に流されて漂流している。
 落石に前後を挟まれ、自動車が身動き取れない。

 一日に二度三度と出動すると、流石に疲れてくる。
 でも、助けた人達から感謝されれば嬉しいし、励みになる。
 陸くんも四人でいるときには、ソラシドレスキューに批判的な言動をするけれど、
救助現場では率先して行動してくれている。やっぱり、陸くんは良い人なんだ。そう
思う。

 次の日以降も、ソラシドレスキューへの救助要請は続く。
 ロープウェイが故障して動かなくなった。
 山道の事故で自動車が崖からはみ出し、人が取り残されている。
 電柱に登った子猫が、降りられなくなっている。こんな可愛い救助要請もある。

 忙しくも、楽しい日々が続く。
 陸くんも、不平を言わずに救助活動に参加してくれている。
 マスコミやネットの一部で、トリック扱いされた超能力も、ソラシドレスキューの
活躍で、世の中に認知されてきたように思える。
 超能力を人のために役立てる。その願いが、少しづつ実現しつつあるように思えて
満足感に浸る毎日が続いた。