「君たちは何者なんだ?」レスキュー隊員の一人が問う。
「それは後で。次の人を助け行きます」そう答えて、中州に戻る。
 次は、小学校低学年の男の子。その次は、女の子。次々と人を運ぶ。
 その間にも水かさは増し、水上に残る中州の面積は4畳ほどになった。大人三人は
子供を守るように、手を繋いでいるが、その足首は水につかっている。
 子供たちを運び終え、次は大人の番。
 大人の最初は二十歳前後の若い女性。陸くん、初めはドギマギしていたが、彼女を
抱きかかえ、無事に岸まで運ぶことが出来た。
 次に、大学生と思しき男性を運ぶ。
 最後に残った中年男性を運び終えた頃には、中州は完全に水没していた。

「ありがとう。ありがとう」とリーダー格の中年男性から何度も礼を言われた。
「御協力に感謝します」とレスキュー隊員に最敬礼をされた。
 ところで君たちは何者なんだ。との問いかけに、あらかじめ用意しておいたビラを
渡し、 
「私たち、超能力救助隊のソラシドレスキューです」
 と告げて、その場から飛び立った。