陸くんの発案で、翌日から救助活動の予行演習をする事になった。

飛行訓練)
 まず、空を飛ぶこと。
 救助現場に急行するためには、歩いてなど行けないので、空を飛ぶことになる。
 練習場所は学校近くにある神社跡。小山の天辺にあり、木立に囲まれているので、
誰かに見られる心配はない。

 念動力で体を浮かせることは実験済みなので、その応用で二人して空を飛ぶ。
 問題は、私が超能力を強く正確に発動させるためには、私と陸くんが直接に触れて
いる必要があること。
 初めに、二人が横に並ぶ方法を試してみた。
 私と陸くんが横に並び、手を握る。
 空中に浮かぶイメージを思い描く。体が宙に浮く。
 次に、空中を泳ぐイメージを思い描く。体が地面に平行になる。
 顔を前方に向け、前進する自分の姿をイメージする。体が空中を移動する。
 飛ぶこと自体は、割と簡単に出来た。
 でも、横に並んで飛ぶ方法は、飛行のコース取りが難しい。陸くんの姿は、視界の
一部にしか見えないので、陸くん側の距離感が掴めない。調子にのって飛んでたら、
陸くんが木の茂みに突っ込んでしまった。