――次の橋で振り切る―――
 陸くんの心の声が聞こえた。
 橋が迫る。
 橋の下に向かって降下。が、今までよりも極端に低いコース取りだ。
 と、同時に私達を包むバリアが、急膨張していくのを感じる。
 水面が近い。危ない!
 次の瞬間、私達は川の中に飛び込んだ。
 水の抵抗で急減速。
 バリヤを膨らませているので、巨大な水柱が上がる。
 そのまま180度転回し、水中から飛び出す。
 振り向くと、橋を飛び越えたヘリプレーンが、私達の作った巨大水柱にぶつかって
いた。
 私達は、今来た方向に大急ぎで逆戻り。
 一つ前の橋と交錯するところで、川から道路にコースを替える。
 その道路を少し進むとトンネルがあった。私達はその中に身を潜める。

 バロロロロロロロロロ。
 ヘリプレーンが戻ってきた。
 しかし、私達を見失ったのか、ローター音は次第に遠ざかっていく。
 ローターの音が消えてからも、用心して身を隠し続ける。
 30分ほど待って、トンネルから外に出た。
 念には念を入れ、本来の帰還方向とは反対方向に飛ぶ。
 それから、更に、大きく迂回するコースをとって帰路についた。