神社には長い石段があった。


あたしはお姉ちゃんに肩をかし、ゆっくりと上がりはじめる。


普段はどうってことのない石段も、今はとてつもなく長い距離に見えてメマイを起こしそうになった。


「あたしたちがいたのは神社の岩の上だった」


階段を上がりながら、お姉ちゃんがそう言った。


「岩の上?」


「そう。あるでしょ、大きな岩が」


確かに神社には大きな岩があった。


手水屋の反対側あたりに、大人が両手を伸ばしても抱えきれないほどの岩がある。


子供の頃はその上にのぼってよく遊んだものだ。