「行こう。お姉ちゃん」


あたしはお姉ちゃんの手を握りしめてそう言った。


お姉ちゃんの体を支えながらそっと病室を抜け出した。


消灯時間はとっくの前に過ぎているのに、今日は起きている人が多い。


星の爆発を見られるということで、みんな窓際に立っている。


「お姉ちゃん、大丈夫?」


「平気」


お姉ちゃんは真っ直ぐに前を見て1歩1歩大切に歩く。


熱があるのか、その額からは汗が流れて少し歩くだけでも辛そうだ。


「お姉ちゃん、あたし1人で行こうか」


「それじゃ意味ないよ。このネックレスは2つで1つなんだから。あたしが行かなくてどうするの」


息を切らしながら反抗するお姉ちゃん。


どうにか病院を出たあたしたちはタクシーに乗り込んだ。