あたしはため息交じりに自分の席へともどった。


その隣にお姉ちゃんが座る。


「机をくっつけて、その間に教科書を置いてお互いが見えないようにするんだ」


1人の男子生徒がその場を仕切り、指示を出している。


あっという間に舞台は整った。


こういう時だけ行動力がある男子に呆れてしまう。


あたしの前に置かれたトランプは5枚だった。


ハートのA、ダイヤの2、クローバーの3、スペードの5、そしてジョーカー。


直感的に、お姉ちゃんの机に並べられているトランプに同じ物はないと感じた。


どれを選んでも、きっと違うものになる。