慌てて家に戻って来て、自分の胸に手を当てた。


しっかりと脈打つ心臓。


鏡で自分の姿を確認してみても、悪いところはなさそうに見える。


なのにどうしてだろう。


自分は死ぬのだと、そう確信をもって言うことができた。


その時……パサリと小さな音がして、手紙がテーブルの上に舞い降りた。


花柄の、あの手紙が。


「あっ!」


小さく声を上げて手紙に駆け寄る。


心臓が大きくドクンッと跳ねた。