☆☆☆

それから数か月後、家を出る時が来た。


新しい街。


新しい生活。


あたしの心は浮き足立っていた。


暖かな日差しに包まれる入学式。


綺麗なキャンバス。


「初めまして」


入学式でそう声をかけてきてくれたのは、1年上の男の先輩だった。


背が高くて眼鏡がよく似合う。


新生活に新しい色がどんどん加わって来る。