☆☆☆

2時間ほど走ったところでバスは休憩所に停車した。


今のところバスに異常はないようで、ホッと安堵のため息を吐き出した。


もしかしたらあの手紙が間違えていたのかもしれない。


友人たちも楽しんでいるし、水を差すような事はやめておこう。


そう思った時だった。


運転手が慌ててバスを下りる姿が視界の端に映った。


バスから黒煙が撒きあがっている。


「離れて! 離れて!」


バスの運転手が叫ぶ。


次の瞬間、バスは大きな爆発音を上げて炎上していたのだ。


辺りが炎で真っ赤に染まり、悲鳴が聞こえて来る。


幸い、この爆発事故でのけが人はいなかったけれど、あたしの記憶に深く刻み込まれたのだった。