この手紙の内容を守るとなると、全員に迷惑が掛かってしまうのだ。


集合場所へ向かいながらも、あたしは修学旅行で起こった出来事を思い出していた。


あの時、手紙には『交通事故に注意』と書かれていた。


実際に事故に遭いそうになったのはあたしじゃないけれど、あのままほっておくと大きな事故になっていたかもしれないのだ。


そして今回の手紙。


もしバスで大きな事故が起こるとしたら、沢山の人が巻き込まれることになるかもしれない。


そう思うと、居ても立っても居られない気持ちになった。


「サオ、早く!」


気が付けば友人が手招きをしていた。