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町1番の夏祭りはとても盛大なものだった。


歩く場所がないほどに人でひしめき合っている。


「ごめん、ちょっとトイレ」


花火があがる寸前で、あたしはそう言って2人から離れた。


「おいおい今から花火なのにか?」


健が呆れた顔をしている。


「仕方ないでしょ」


あたしはぶっきらぼうに返事をして、その場から離れた。


赤い顔の美智子が健に話しかけている。


健は一瞬困った顔を浮かべたが、すぐに顔を赤くして頷いた。