陽はどんどん陰って来て、気が付けば自分の影は森の中へと溶け込む時間帯だ。


やばい。


そう思っても、もう遅かった。


随分と森の深くまで来てしまったようで神社の方向がわからない。


明かりがどこにも見当たらない。


慌ててスマホを取り出して周囲を照らし出した。


木、木、木、木。


見渡す限りの木に寒気がした。


早足になり、出口を探す。


息が上がり、汗が背中を流れて行く。


足元が悪くて何度もこけそうになりながら、徐々に視界が滲んでいく。


「ここ、どこ……?」