ひきつった笑顔でそう返事をする。


その時だった。


1人の女の子が泣きながら歩いているのが視界に入って来た。


沢山人が集まる場所で、両親とはぐれてしまったのかもしれない。


「ねぇ、あの子……」


「え? あ、本当だ。迷子かな?」


「ほっといていいのかな? 先生に伝えた方がいいかも」


そんな会話をしていた時、女の子が大通りへと歩いて出るのが見えた。


近くの信号は青だ。


「ねぇ、やばいくない?」


あたしは友達の腕をきつく掴んだ。


一瞬、手紙に書かれている内容を思い出す。