そうして月日は過ぎて行き、中学2年生の夏休みが近づいてきていた。


未だにあの話の真相は聞けていないけれど、なんとなく『拾われることが当たり前』なのだと感じてきていた頃だった。


中のいい友達も、保健室の先生も『みんな拾われるもの』だと、言っていたから。


この町で生きてきて、この町しか知らないあたしは『そんなものなんだ』と、思うようになっていた。


両親の話ももう心にひっかからない。


そんな時、あたしは同級生に恋をした。


その子はサッカー部のエースで、とても人気のある男子生徒だった。


背も高くて顔もいい。


みんなが憧れるように、あたしも彼に憧れていた。