便箋に書かれている文字は大人っぽくて、男か女かわからない。


便箋の種類だけで見ると女の人っぽいけれど、名前も書かれていないのでハッキリしなかった。


「前の時は階段注意って書いてあった」


「あぁ、4年生の頃の?」


「うん」


「あの時修一に告白されて焦ってたよね」


そう言って笑うお姉ちゃんにあたしは恥ずかしくなって俯いた。


「そういう話じゃなくてさ、この手紙の事だよ」


「そんなに気にしなくていいんじゃない? 悪いことが書いてあるワケじゃないんだし」


「そうだけど……」


あたしが気にし過ぎなんだろうか?


そう思い、手紙をリュックにしまったのだった。