それから数か月が経過し、秋になっていた。


朝晩は特に寒くて学校前の道のりが遠く感じられる。


ある日目を覚まして机の上を見ると、見知らぬ手紙が置いてあった。


「あ……」


小さく呟き、手紙を手に取る。


運動会の時もこんな手紙が置いてあったはずだ。


《帰り道の階段で気を付ける事》


そう書かれた手紙に瞬きをした。


ドジなあたしをよく知っていて注意してくれているのかもしれない。


でも、それなら直接言ってくれればいいのに。


両親か、それともお姉ちゃんか。


そう思って確認してみたけれど、誰の文字とも似ていなかった。


「変なの」


あたしはそう呟いて、家を出たのだった。