悔しいのかグッと唇が引き結ばれている。


「選ぼう、サオ」


「でも、同じカードがないよ……」


「いいんだよ。選べって言うんだから、選べばいい」


お姉ちゃんがそう言い、1枚のトランプを選んで手に持った。


なんで?


なんで男子たちの意地悪に付き合わなきゃいけないの?


そう思うけれど、言葉を飲みこんだ。


お姉ちゃんはもう選んだんだ。


次はあたしの番だ。


そう思い、あたしはジョーカーのカードを選んだ。


男子たちの笑い声が大きくなる。