「それで、おじさん、華恋は、助かるんですか?」と健太郎は、心配そうに、尋ねた。
「助かっても、お前次第だ。健太郎。変わろうとしないと、この娘は、また、危険を顧みず、お前たちを救おうとするだろう。」
「叔父さん、何を変えれば、いいんだろう?」
「それは、自分自身に、聞いてみなさい。つらい決断に、なるかもしれん。」

「あの、この娘は、本当にアンドロイド何ですか?」美咲は、尋ねた。
「最先端のテクノロジーを用いて、作られている。かといってマンガに出てくるような、力はない。」
「福澤先生は、この実験で、何を得るのですか?」と美咲
「AIを用いて、心を作る」
「他の人では、ダメなんですか?」美咲は、尋ねた。
「ふむ、今回の一件で、わたしも、健太郎でふさわしいか、どうか、考えているところだ。」

「俺じゃ、ダメですか?」と健太郎は、再度尋ねた。
「さっきも言った通り、条件がある。」
「条件って」
「美咲さんと、別れることだ。」

「それは、できません」
「なら、諦めることだ」
美咲は、黙っていた。

曇り空が広がる中、健太郎と美咲は、帰り道を、歩いていた。
「ねえ、後悔していない?」と美咲が、いたずらっぽく、尋ねた。
「しょうがないだろ。俺に心をあの子へ、教えることはできない。」
「それだけなの」何か美咲は、不服そうに言った。
「もちろん、お前がいるからだ。」

一方、研究所では、異変が起きていた。
「華恋、今回のことは、すまなかった」と福澤先生。
「もう、わたしは、不用品ですか?」華恋は、言った。
「いや、対象が、変わるだけだ。」
「健太郎さんは、わたしを、拒否したのですか?」
「あいつには、恋人がいる。」
「それでも、かまいません。健太郎さんと、一緒にいたいのです。」
「華恋、お前は、何か変わったか?」
「いいえ、教授。私はわたしです。」
「それならば、命令だ。ここから動いては、ならない。」
「いやです。健太郎さんの元へ行きます。」
というすぐに、研究室を華恋は、出て行った。