翌日の朝。
今日も氷点下の北海道。

80デニールのタイツに、もふもふのスヌード。
手袋着用で、携帯は手袋モード。

いつも通りの7時50分のバスで、学校へ向かう。



「まりあーーーー!おはよ!!」

「おー、おはよ~」


いつもバスで一緒になるこの子は、及川里奈。

2年になって、A組にあがってきた努力家で、今ではクラスで一番仲が良い。



「あ、そだ!まりあ見て!!」

そう言われて見せられたのは、フェイスブック。
画面には見たことない男の人のページ。


「昨日この人からメッセージきてさー、めっちゃかっこよくない!?」

「うわ、まじだ。激イケメン!!!」


「でしょ!?ライン交換して、昨日からやりとりしてるんだけどさー、今度ご飯行くことになった!!!」



いいな~!なんて言いながら、もう一度りなの携帯画面をのぞく。

そして、アカウント名で私も検索をした。


アカウント名は、「椎さん」。

名字からなのか、名前からなのかは知らないけど、検索したらすぐ出てきた。