「おつかれさまでーす!」

バイト先は、家から徒歩15分のレストラン。
北海道の2月は、今日の気温-7度。

白い息と共に、手がかじかむ。

私、大野真理亜。高校2年生。
もうすぐで3年生になる目前。


「ゆうちゃん〜今終わったよ!」


バイト終わり、外へ出たら電話をかける。
帰り道では彼氏に電話がお決まり。
歩いている時間が短く感じる。


『バイトお疲れ様〜。さっきまで寝てた』


私の彼氏の、堂島優。
通称、ゆうちゃん。

私たちは高校1年生の冬からつきあっていて、今で1年くらいかな。

高校も同じ。クラスも同じ。
学校内のカップルの中だと、付き合っているのが一番長い。


「や〜!テスト勉強するんじゃなかったの〜!?」

『しようと思ってたんだけどね。明日でいいや。一緒にやる?』

「やるやる!!!」



ゆうちゃんと私は、学年で成績トップを争う良きライバル。

私たちの学年は、成績トップの限られた人がA組、他はB〜Dとランダムでクラス分けされている。

つまり、成績優秀者はA組、トップ以外はランダムということ。
ゆうちゃんと私は毎年A組をキープしていた。