「え、今・・・できた??」

「うん。気にしないで」


いやいや、気にするに決まってる。
これは遊び。
そう思っていたのに。

遊びなら、そんな真っ直ぐな目をして言わないで。
誰でもいいなら、告白なんてしないで、適当に連れ回して。



「まりちゃんさ、そこまで悩んでても、彼氏のことがちゃんと好きなんだもんね。だから、ちゃんと初対面の俺にも、彼氏の存在隠したりしなかった」




すごくいいことを言っているんだけど。

私からしたら、相談の内容も嘘で、悩んでるのも全部フリ。

まさか、こんなに真剣に考えてくれるような人だとは思ってなかったから。




「まりちゃんは正直でいい子なんだね」




別れるかなんて悩んでない。
不満もない。悪口になるようなことされてない。

ここまで嘘つきの私を、かいくんは正直と呼んだ。

嘘に嘘を重ねてる私の話を、まともに受け止めているかいくんの方が、よっぽど正直だ。