「ゆうちゃんおはよー!」

「あ、おはよう・・・」

すごく眠そうなゆうちゃんが遅刻五分前に教室に来た。


「もう朝読書はじまるからねー?」

「今日まじで寒くない?寝坊はしてないけど、布団が俺をはなしてくれなかった」

「また~、何言ってんの~!」


いつも通りの冗談交じりな会話をし、お互い席につく。


朝読書の時間は、ほぼゆうちゃんとのラインの時間。
先生も自由な人で、本じゃなくて新聞を読んでいる。



『今日バイト休みだったんだけど、6時からバイト入ってくれないかって連絡きててたから、今日も出勤してくるね!』


今日は「椎さん」との約束。
私はうまく嘘をつく。


『おっけ~、俺も今日7時からバイト!』

『わかった~、頑張ってね!!』


ゆうちゃんもバイトなら、丁度良い。
こまめにラインを返す必要もないから、怪しまれないで済む。

ゆうちゃんは鈍感だから、普段から何も勘付かないんだけどね・・・。