タクシーでマンションに到着したアタシ達は
とりあえず早乙女さんを着替えさせ
自分の部屋のベッドに寝かせて落ち着こうとしたが――


「ヒナコ!!」


ホッとする間もなく
今度は血相を変えた煌月が
いきなりアタシの部屋に飛び込んできた。


「静かにして。
 大丈夫、眠ってるだけだから」


彼女が心配なのはわかるけど
ゆっくり眠らせてあげて。
可哀想でしょ。


「いったい何があったんだ!?」

「とりえずアンタは落ち着きなさい。
 薬を飲んできてから説明するから
 ちょっと待ってて…」


あんな心臓に悪い思いしたんだから
ちょっとこっちも調子悪いの、わかってほしいわ。


台所で水と薬を用意し
一気に喉に流し込んで一息ついていると
煌月は少し落ち着いたらしく。


「取り乱して悪かった。
 お前も大丈夫か?」


と、いつも通りの冷静な状態で
アタシの元に来た。

良かったよ、いつものアンタに戻ってくれて。


「アタシは驚いて心臓バクバクなだけ。←え、ダメだよね
 それはそうと、実はね…」


早乙女さんを見つけたときの状況を
すべて話した―――