「こんな再会
冗談じゃないッ」
逃げた足で
そのまま給湯室に来ると
淹れたてのコーヒーを
ほぼ一気に喉に流し込んだ。
そんな事する人なんていないだろうけど
さすがに仕事中だから
ヤケ酒が出来ないし仕方ない。
「そんなにカフェインをガブ飲みするな」
「煌月、いつの間にッ」
さっきまでヤツと一緒にいたはずなのにッ
どんな瞬間移動だッ
「元カレと再会して
気が変わったか?」
「変わるワケがない。
それとも何?
変わってほしかった?」
「そりゃぁな。
面白そうだし」
この野郎
他人事だと思って遊んでるな。
「残念ながら
アンタの思惑には乗りません」
「ふーん。
陽向さんはお前の事
惚れ直したみたいだけど?」
「はぁ?」
何言ってんの、この男は。
そんなの絶対ありえない。
「案外あの人
マジだったりするかもよ?」
「言ってる意味がわからん」
捨てたのはあの男だ。
何が惚れ直しただ。
こっちはそんな気分で振り回されるなんて迷惑だ。
「陽向さん
もう日本にいるみたいだから
せいぜい仲良くしな」
うるさい煌月。
大きなお世話。