――― AM 7:30
ジリリリ~~・・・・
ベッドサイドにある目覚まし時計が
サイレンの如く鳴り響いているけれど…
「んー…うるさい…」
布団からモゾモゾと腕だけ伸ばし
バシッと勢いよく床に叩き叩きつけたところで。
「…無理」
誰に言ったワケじゃない。
目覚まし時計に対して
今の気持ちを伝えただけ。
まぁそんな言葉に応えてくれるワケでもなく
再び布団に潜り込んでから時間は刻一刻と過ぎ
床に転がる目覚まし時計が8時を示した頃
「んー…
あれ…?ない…」
再び腕を伸ばして時計を探すも
自分で落としたのだからあるワケがない。
仕方なく枕元に置いてあるスマホを
眠気眼に電源を入れてみた。
「マジ!?
完全に遅刻ッッ」
いきなり目も脳も身体すべてが現実に引き戻され
跳び起きた事は言うまでもない。
やっと目が覚めた時には、時すでに遅く
8時半までの出勤が目前に迫ってきている現実だけが
無常に近付いてくる。
「このままだとまた顛末書ッ」
朝食も摂らず
洗顔と歯磨きと着替えを済ませ
素早く家を飛び出し会社へ。