「キミんとこの課長から聞いたぞ!
広報部のエースだってな!」
「は、はぁ…」
おい、課長(♂)。
エースってなんだ。
何をオッサン達に吹き込んだ?
「期待しているからな!
しっかり頼んだぞ!」
…なんだろうか。
バカにされている気しかしない。
「七星くん、お酒が入ってないようだ。
キミも飲みなさい」
「え、えぇ…」
そう言いながら
ビールをグラスに並々注がれる。
「こ、零れそうっす…」
成り行きでテーブルに同席させられ
飲んでは注がれ
半分も入っていながら更に注がれていく…
殺す気ですか、オッサン。
そんな楽しくもない
会社の飲み会は終盤を迎えた頃―――
「さすがに飲みすぎたな…」
スタッフから水を貰い
外の風に当たろうとロビーへと出ていくと
ソファにはすでに先約の姿が見えた。
「あれ、煌月達…?」
早乙女さんがソファに腰掛け
斜め前に煌月が立っている。
「何してんの…?」
近付き声を掛けてみると
すぐに状況が把握出来た。
「あ…七星さん…
私、なんだか飲みすぎてしまったみたいです…」
そうだと思いましたよ。