――――上からも煌月からも参加を強いられて。



「―――であるからして
 我々の会社には―――」


嫌々出席した食事会の席で
社長の有難いお話を
もう10分ほど聞いている。


会場はウチの社長のお得意様のところとかで
貸し切りで行われた。
社員全員が参加しているんじゃないかってくらいの大人数。
席なんて決まってないが
だいたい各部署ごとに固まっている。
…かと思えば
婚活パーティーさながら
他部署でも若い男女は仲良さげに
一緒にお酒を嗜(たしな)んでいる。


「こういうのがキッカケで
恋愛やら結婚やらに発展するのか…。
勉強になるな」


と言いながら
アタシは独りですが。


煌月はもちろん早乙女さんと
イチャイチャしてるし。(アタシにはそう見える)←煌月に怒られるヤツ。


無駄に長い社長の挨拶が終わり
各自、歓談の時間へと突入。


アタシはと言うと
上司を含め目上のオッサン達に
お酌をしてまわる。


「おぉ!七星くん!」

「ど、どうも…」


酔っ払いのオッサン共の相手が
1番面倒くさい。