アタシも同じ事は考えた。
誰かの恨みかもしれないと。
だけど誰がやったかなんて検討がつかない。
証拠もないし
理由がわからない。
ただ1つわかっているのは


「気のせいだと思ってたけど…
 やっぱりあの時、誰かいたんだ…」


アタシの見間違いではなかったって事か。


「誰か見掛けたのか?」

「ハッキリとはわかりません。
 人の気配を感じただけで
 顔を見たワケでもないし姿も見てないから…」

「でも可能性としては
 1番あり得るな」

「まぁ深く考えすぎなだけで
 誰かの悪戯だと思いますよ」


密会現場なんて目撃すれば
誰だって他人に言いたくなるだろうし
それがちょっと大きく噂になってしまっただけ。

だけど問題は
噂になる事よりも
煌月の方だ。


「アイツ…何か処分を受けるのかな」


それが1番気掛かりだ。
アタシにも責任があるんだから
あまり重い罰が下らないといいんだけど。


「副編集長だからな…
 それなりの処分は覚悟しといた方がいい。
 でもセツナはあまり考え込むなよ?」


この人…
こんなに頼もしい人だっけか。
それにもしかして味方してくれてる…?