「お前が許してくれるなら、
俺と母さんに手伝わせてくれないか？」


「…手伝う？」


「そう。修也が、修也の人生を歩けるように
少しの手助け。
お前は、俺も母さんも出来なかったことを
さっき成し遂げたんだ。
そんな修也から俺たちは勇気をもらった。

ちょっとくらい、
兄と母親らしい事をさせてくれないか？
俺たちの自己満足かもしれないけど。」


眉を下げ、どうかな？と
聞いてくる兄貴に少し躊躇ったけど、
俺は首を横に振った。


「…やっぱり許せないか？」


俺の返事に悲しそうな顔をした二人に
慌てて弁解をした。


「そうじゃないんだ。

俺こそ、今まで勝手に兄貴に嫉妬して
勝手に母さんが俺の事を
嫌いだと勘違いして避けていた。
それは…ごめん。

でも、さっきの話を聞いて
俺、ガラじゃないけど
正直すげー嬉しかった…。
ちゃんと俺を見てくれてる人が
いたんだって知れて…。」