時々鼻をすすりながら
言葉を紡ぐ母さんに視線を向けた。
「お母さん、あなたがどんどん家で
笑わなくなっていって、
どうしていいか分からなくなってしまったの…。
あなたが苦しんでいることに気付いていたのに
お父さんを止めることが出来なかった…。
終いには、あなたとどう接していいのか
それすらも分からなくなって、
それで…。
本当にごめんなさい。
こんなの…母親失格よね…。」
とうとう泣き出してしまった
母さんの背中をゆっくりさすりながら
今度は兄貴が口を開いた。
「でも、母さんは何か
少しでも母親らしいことを
してあげたいって言って、
修也の毎日の朝食は、
シェフじゃなくて、母さんが作っていたんだよ。」
…え?