兄貴はゆっくりと話を続けた。


「…もちろん、俺の事もね。
でも、それは仕方ないと思ってる。
そんな修也に気付きながら
俺はお前に何もしてやれなかった…。」


悔しそうに唇を噛む兄貴の姿は
意外だった。
そんな事思ってるなんて
想像したことなかったから。


「俺は、今さらだけど
修也の助けになりたいと思ってる。」


「…は？」


どういう…


「修也からしたら
都合いいと思うかもしれない。
だけど、さっきのお前の言葉を聞いて
俺も変わりたいと思ったんだ。」


兄貴が…変わりたい…？


「俺は好きで父さんの言う事を聞いてきた。
今、俺がやってる事は
俺が自分で決めたことだ。
だから、お前にも好きな事をしてもらいたい。
そのために、俺が父さんを説得するよ。」