俺が刃向ったことが
意外だったのか
マヌケな面をした親父を背に
自分の部屋へと帰った。



「…はぁ。」


ベットへ寝転がり、天井を見上げる。


さっきの出来事を思い出し、
大きく息を吐いた。



初めて思ったことを口にした俺は、
どこかスッキリしていた。


親父にあんなことを言って
俺はこの家を追い出されるかもしれない。


でも、そうなったとしても別にいい。


何とかしてみせる。


なんて根拠のない自信が湧いてくる。



「…アイツのおかげか。」


夕暮れの空の下で笑うアイツを思い出して
小さい笑みが零れた。






―――コンコン


目を腕で覆って
しばらくぼーっとしていると
部屋のドアがノックされた。