「お前はいつまでそうやって
意地を張っているつもりだ。
そんなんだから智也と違って…」


それを言われた瞬間、
俺は振り返り親父を睨んだ。


でも、それが通用するはずもなく


「何だ?その目は。
俺に逆らうのか?
誰のおかげでこの生活が出来てる?
誰のおかげで未来が約束されている?
お前が兄の智也と違って
出来損ないなのは確かだ。
でも、それでも見捨てないでやってるだろう?
むしろ感謝して欲しいくらい
なんだけどな?」


フッと俺をバカにするように
鼻で笑った親父を前に、
ふとアイツの言葉が頭を過った。



”自分が一歩踏み出せば、きっと何かが変わる。
自分が自分を信じてあげなきゃ
他に誰が信じるの?
私の人生は私だけの物。
自分の力で幸せな未来に、
自分が望む未来に変えていくんだよ”