修也は私の腕を前から引っ張り
自分のお腹に巻き付けた。


「…へ!?
…きゃあーーー!!!」


途端、恥ずかしがる余裕もなくなるほど
全速力で坂を下りて行った。


「早すぎ落ちるーーーー!!!」


「ギャーギャーうるせぇ!
捕まってれば落ちねーから!!
ってか、周り、見てみろよ。
お前、こういうの好きじゃねーの?」


そう言われ、恐る恐る顔を上げてみれば


「綺麗…。」



夕日に照らされた街を眺めることが出来た。


思わずそう呟けば
修也は満足そうに「だろ?」と言った。


「うん…!ありがとうーー!!」


走りながらでも、
後ろからでも聞こえるように
大きな声で感謝の気持ちを叫んだ。