処方された紙を受け取って
診察室を後にした私達は
お会計を済ませて
塗り薬をもらって帰宅した。
この時の私は、
全く予想も心配もしていなかった。
まさか、自分の体が
病気に蝕まれていたなんて―――
検査結果が出るまでの1週間。
言われた通りに薬を塗っていたら
いつの間にか斑点は消えていた。
だから、大丈夫だろう。
そう思いながら検査結果を聞きに
病院へ行くと
「一架さんは、白花病(はっか病)
と言う、皮膚がんの一種でした。」
…えーっと
「…がん?」
ぽろっと言葉を零すと
先生は真剣な顔つきで静かに頷いた。
いや、私が癌って…