「キャー――!すごーーい!!」


初めて乗る自転車の後ろは
本当に楽しかった。


自分で漕いでたら
周りの景色なんて見る余裕ないけど、
後ろに乗ってる事で
景色をゆっくりと眺める事が出来た。


歩くスピードより
断然早い自転車から見える景色は
いつもと同じ道のはずなのに
どこか違って見えて
すごく特別なものに感じた。



「なぁ、適当に走って来たけど
どこか行きたいとこねーの?」


病院の周りをしばらく走っいる中で
修也が私に尋ねた。


「うーーん…。
…あ!河川敷行きたい!
川のそばって気持ちよさそう!!」


空気が少し冷たくなるから
多分、いや絶対いいと思う。


「ん、了解。」


そう言うと徐々にスピードを上げ始めて


「坂、下るから
ちゃんと捕まれよ。」