「今日は晴れてるし、
早く帰るつもりだったから自転車。
ってか、お前と約束をしたつもりはないし、
そもそもあんな脅しが俺に効くとでも?
ばらしたところで誰も信じないっつの。」


ふーん。


「でも、メッセージ読んでるし、
現にいま、こうして並んで歩いてるじゃん!
って事は私のお願を聞いてくれるつもりが
あったんじゃないのー?」


「お前が勝手についてきてるだけだろ。
俺は今から自分の自転車で
家に帰るだけだ。」


「本当に~?
じゃあ、なんで私と
歩幅合わせて歩いてくれてるのかな~?」


ニヤリと頬を緩めてそう聞けば
修也はうっ、とバツの悪そうな顔をした。


「私、わざと遅く歩いてるんだけどな~?」


追い打ちをかけるようにそう言えば
諦めたかのように
「俺、いい加減な人間じゃないから。」
と、ぼそっと呟いた。