途切れた会話に
流れた沈黙を裂くように
私は話題を変えて、修也が来るのを待った。


そして10分ほど経ったとき


「よっ。」


ニコリと完璧に笑った修也が
片手をあげて病室に入って来た。


「悪いな、毎日毎日。」


プリントを受け取りながら
眉を下げた山内君に
修也は優しく笑いかけた。


「そんな事気にすんなよ。」


でも、口から出たのはたった一言。


本当にそう思っているならば、
私ならもっと別の言葉が
出てくるだろうと思ってしまった。


修也は、それ以上何かを喋るつもりはなさそうで
私達3人の間には
微妙に冷たい空気が流れた。


ことに気付いたのは
私だけかもしれないけど。


でも、ちょうど良かったかもしれない。


今日は、早めに彼の病室を
出ようと思っていたから。