【一架Side】


昨日、初めて笑顔を見せてくれた修也に
私の心臓は大きく音を鳴らした。


彼が、やっと心から
本当の笑顔を見せてくれたことが嬉しくて。


そして、その笑顔が思った以上に
子供っぽかったから。



それから私達はお互いにアドレスを交換して、
修也の乗るバスが来るまで
バス停で話しこんだ。


「ね、修也の家ってここから遠いの?」


「は、いきなり呼び捨てかよ。
そこまで許したつもりないんだけど?」


「まぁまぁ、細かい事は気にしない。
で、ここから遠いの?」


私は彼のツッコみはサラッと流し
さっきと同じ質問を口にすれば
呆れたため息を零しながらも
「遠いっちゃ遠い。
バスで20分くらい。」
と、答えてくれたので
呼び捨てすることを許してくれたのだと
勝手に解釈することにした。