「今は、腕と背中に出来てる。
これはいずれ私の全身を覆い尽くすんだよ。
治療法はないけど、
一応の薬はあるからそれを毎日塗って
過ごしてる。
あと、検診は2週間に1回かな。
それと…あと知りたい事ある?」
首を傾げて聞いてきた彼女に
俺はゆっくりと首を横に振った。
自分の病気を、
治らないと言われている病気を
笑顔で語る彼女を見ていられなくなったから。
俺は、彼女の言う通り、
病気の話を聞いて、
まんまと同情してしまっていた。
知らない間に俯いてたらしい俺は
自分の靴のつま先を眺めていた。
「キミ、人間らしいとこ
ちゃんとあるんじゃん。」
そんな俺の耳に届いた言葉。