コクっと喉を鳴らした後


「もしかして、さっきの聞いたから?
だから私に優しくしてくれるの?」


どこか、俺を試すように
楽しそうな表情で言葉と共に
俺の顔を覗き込んできた。


そうだ、その通りかもしれない。


でも、素直に答える事はしないで
「別に」と言うと「あっそ!」と
唇を尖らせた。
そして


「同情してくれたっていいじゃんか。」


そう、俺に言った。


「…は?」


こいつ、なんなの?
普通、こういう時って
同情なんてされたくないもんじゃないの?


「同情されたいわけ?」


呆れながらそう聞けば


「だって本当は今、同情したから
私のお願い聞いてくれたんでしょ?
だったらこれからも同情してくれてれば
私のお願い聞いてくれると思って!」


ね?とまた楽しそうに笑った。