半年…?


あんなに元気そうなのに?
つか、なんの病気だよ。


1人、立ち止まったまま
考えていると


「あ!私のカバン!!」


前からたった今、話題に上がった
あいつが姿を現した。


「持って来てくれたの?
ありがとう、助かった~!」


いつもと変わらずニコニコしながら
俺の肩からカバンを下ろすと
自分の肩に掛けた。


「一架ちゃん、カバン忘れたの?」


さっき、会話をしていたナースの1人が
こいつにそう話しかけ
「そうなの!でも、持って来てもらった!」
と、どこか楽しそうに答えていた。


…なんで普通なんだ?
もしかして、自分の余命を
知らないとか?


それならこんな
楽観的な態度にも納得する。


でも…


「キミ、一緒に帰ろうよ。」