【修也Side】


…ったく、なんだよアイツ。


うぜぇ、ひたすらうぜぇ。


分かったようなこと言っちゃって、
終いには言うことなくなって
小学生の悪口のオンパレードかよ…。


まじ、なんなの…。


「はぁーーー…。」


息を吐出し空を眺める。


陽は傾き始めて一面
オレンジ色に染まっていた。


「帰るか…。」


帰りたくない家に。
俺を、こんな風にした家に…。



でも、こんな状況を壊す事が出来ない俺は
今日もあの家に帰る。


アイツの言ったこと、
ちょっとは当たってるかも、
なんて思いながら立ち上がれば


「カバン…?」


あいつのであろうカバンが
ベンチに置きっぱなしになっていた。