あっかんベーをして
私はドタドタと屋上を後にした。
なにさ!もう!
彼に、どんな暗い過去があるのか分からない。
どれだけ彼が傷ついてきたのか分からない。
でも、その傷は治らなくても
癒すことは出来るんだよ。
その中の一つに友達って
存在があるのに
自らすべてを突き放している。
誰か一人でも寄り添ってくれる人がいれば
人は強くなれる。
前向きになれる。
なのに…
なんて考えながら
病院のロビーまで戻って来た時
「あーー!カバン忘れた!!」
勢いで飛び出してきちゃったから
屋上にカバンを忘れたことに
今更気付いて、私は仕方なく
トボトボと今歩いてきたばかりの道を
引き返した。