いや、ブラックってか素か。
「はいはい、離しますよー。
でも、ちょっとお話…」
しようと言い終わる前に
彼は扉に手をかけていた。
「すとーーっぷ!!」
彼がドアを開ける前に
ドアノブを手に取ってそれを阻止した。
「…なに?」
そのせいか、すこぶる機嫌が悪い彼は
睨むように私を見下ろしていたけど
こんな事でへこたれる私じゃない。
「だーかーら、
お話しようって言ってるの!!
はい!こっち来て!!」
グイッともう一度腕を引っ張ると、
はぁと、だるそうに息を吐きながら
渋々私の後についてきて
定位置であるあのベンチに2人並んで座った。