「修也は見ての通り
かっこいいし、誰にでも優しいから
みんなの中心にいるような人だよ。
家は大企業だしね。
憧れてるやつも多いと思う。
先生からの信頼も厚いし
本当にすごいやつだと思う。」


そこまで聞いたとき、
昨日、彼が言った通りだと
思ったけど…


「…でも。」


突然、目を伏せて悲しそうな顔をした彼が
次にこう言葉を繋げた。


「あれは、本当の修也じゃないと思うんだ…。
なんとなくだけどね。
俺、高校に入ってから修也と知り合ったんだけど、
その時からアイツは、
女の子たちの中では話題の存在で
いつも女の子に囲まれてた。
そしてその輪の中で笑ってた。

…けど、すごく切なそうっていうか、
悲しそうっていうか、苛立ってるっていうか…
上手く言えないんだけど
本当に楽しそうには見えなかったんだ。」