「はぁ…はぁ…。」
う、運動不足すぎる…。
病院に着いた頃には
すっかり息が上がっていて
体力はほとんど奪われていた。
でも、何とか昨日教えてもらった
私立校の男の子の病室へと辿りつき、
足を踏み入れた。
4人部屋の右側の窓際。
カーテンの間から
ベットを覗き込めば
これまた顔の整ったイケメンくんが
足に包帯をぐるぐる巻きにされて
本を読んでいた。
ふうーーっと呼吸を整え、
彼の前に踏み出した。
「こんにちは!
山内君だよね?そこの私立校の!」
私は精一杯の笑顔を浮かべ
挨拶をした。
「えっと…?」
いきなり登場した私に困惑中の彼。
「あ、ごめんね突然!
私は桜井一架って言います!
はじめまして。」